2017年10月26日(木)
無くてはならないもの
いつもお世話になっております
今回は測定器の事を取り上げてみました。
印刷の品質を安定させる上で必要なのは日常のメンテナンスが最も重要なのですが、印刷した結果が安定しているかは、人の眼だけでは限界があります。
その為、印刷物にはカラーバーを配置しその印刷インキの転移量を高精度な分光濃度計を使い測定を行っています。
印刷機に備え付けられた測定器で、5ミリ×5ミリの正方形が横一列に180個ほど並んでいるカラーバーを僅か40秒ほどで測定からその結果までを表示してくれる優れモノです。
測定の頻度は大凡200枚毎に行って、濃度変化を随時把握し、基準から差が出たところは調整を行い許容範囲内で印刷を行っています。
今でこそ、この方法で印刷を行っていますが15年ほど前までは測定器はありませんでした、ルーペで確認したり、印刷面を手で触れ、触感等で大凡の把握をしていたそうです、鋭い感性と卓越の経験で成し得る技だと思います。
その測定機が突然機能停止になり青ざめました、幸いハンディタイプの濃度計がありましたので、測定に時間はかかるものの何とか大事には至らなかったのですが、測定器の部分修理が不可能な事が解り更に青ざめました。大変高価なものなのですが現状不可欠な測定機です、新しいものに入れ替える大掛かりな修理を行う事になりました。
この新しい測定器は従来より測定速度が速く20秒ほどで結果が得られます、また、今までは刷上がり直後の濃度と印刷面、乾燥後の濃度では、測定数値に違いが出て当たり前でしたが、特殊な機能によりその変化が出ないような仕様になっていて印刷を行う上で更に使いやす測定機でした、これにより新たな基準作りを再構築し、更に高品質を目指す為の無くてはならないものになっています。(津上)